小論文の基礎知識

ここでは、大学入試の小論文の情報をわかりやすく解説していきます。

小論文の基礎知識

課題文型小論文のポイント

まず、課題文型小論文とは何かと言うと、提示された課題文に基づいて論述する問題です。長い文章を読んで、自分の意見を論述することです。
では、テーマ型小論文との違いは何かと言うと、課題文がある以上、考えの方向性が絞りやすいのですが、筆者の意見を反映させないといけません。なので、いくら小論文とは言え、持論を展開しすぎないようにしてください。

それでは、課題型小論文を解く手順について説明を致します。

  • 問題や現状の課題を発見する
    筆者の提示する課題・視点・論点を正確に理解する
  • 原因を分析して解決策を考える
    ここでよくある間違えは、出題者は、筆者の提示する内容を繰り返すことを望んでいないのに、筆者の意見を書き写すだけになっているケースがあります。これは減点されますので要注意です。
  • 課題文に沿った解答を書く
    確実に課題文のキーワードを拾い、筆者の主張に対して言及してください。

この課題型小論文も、コツを掴めば書きやすくなりますが、コツを掴むまでには時間がかかりますので、苦手な受験生は早めの対策をお勧めいたします。

小論文は構成メモが大切です

小論文を書く時の注意として、いきなり書かないことです。
いきなり書いてしまい、途中で書き直したり、思考がまとまらなくなってしまいパニックになるケースもあります。

そこで大切な事が構成メモです。

まず、焦らず構成メモを整えてから書くことをお勧め致します。
では、どのようにメモを作成すれば良いかをまとめました。

  • 課題文・資料・設問から読み取れることをメモする
    解答を作成する上で押さえておきたいポイントを整理する。
  • 自分の意見を簡潔にまとめる
    結論を意識して必要な情報を整理する。
    自分を何を言いたいのかを明確なゴールとして設定することです。
  • 根拠を書き出す
    意見→根拠(条件を踏まえて)→まとめ
    課題によって、「あなたの体験をもとに」や「資料を読んで」等の
    条件があります。この条件を忘れると減点になりますので注意してください。

この構成メモも練習が必要です。普段の小論文の学習の時には、構成メモを作成することを意識してください。

国公立大の入試で小論文がある場合の対策

国公立大の小論文は、課題が2つに分かれているケースが多いです。

前半は、文章の内容を問われるもので、

これは、国語の問題と同じ解き方と同じ開放で解けます。

後半が、小論文や要約になります。

ですので、普段の学習を通して小論文の対策に役立っているのです。

そして、その小論文は序論・本論・結論毎に分けて書き、
分量としては8~9割は書いてください。

更に、「です」「ます」調ではなく、「だ。」「である。」調にしてください。

また、感想文ではないので、主観的ではなく客観的に書くことです。

この客観的に書くために必要なことが、根拠やデータを示すことです。

これが、あなたの小論文に論理的に説明できるかどうかを分けるポイントとなります。

自分の知らない分野が出題された時の対処方法

希望している学部学科の小論文において、

自分の知らないことを問われた場合の対処方法をお伝え致します。

例えば、看護学部を受験して小論文の課題が、

「あなたにとって祈りとは何ですか?」と問われたとします。

このような場合には、自分の得意なフィールドに持っていってください。

もし、あなたがキリスト教や神道について少しでも知っていたら、

「祈りとは神に向き合う姿勢である」と「姿勢」にフォーカスをして論点をずらします。

そして、自分の体験を入れて質問に答えられるようにします。

「祈り」との言っても様々ですので、自分の得意なフィールドにもっていくことが大切です。

それを軸にして、論点をまとめてください。

また、根源的なことを考えることも大切です。例えば「少子高齢化の解決策を考えなさい」と問われ、

全く分からない場合ですが、根源的や理由や原因を考えます。

この場合の根源的問題とは、「なぜ子どもが増えないのか?」です。

これに対して、「子どもを育てやすい環境を整える。」や「子どもを家庭には協力金を配る。」などの自分の考えられる視点で、

尚且つ実行可能な可能な話題にもっていくことが大切です。

こちらは初歩的なことですが、小論文が苦手な受験生は活用して頂ければ嬉しいです。

課題型小論文の要約のポイント

小論文の問題には、例えば「800文字で筆者の意見を要約せよ。」という問題が出る場合もあります。そこで、要約のポイントをお伝え致します

・全体を把握する3つのポイント。

  • テーマ…何について述べられているのかを理解する
  • 主張…筆者は何を一番伝えたいのか理解する
  • 根拠…筆者はなぜそのような意見を持ったのかを理解する

課題文の中で具体例や体験談を用いている場合は根拠だと思ってください。

ここまで出来たら簡潔にメモをとりましょう。

いくなり書くと途中で直すことが大変だからです。

では、このメモを書く時に注意する点をお伝え致します。

具体例・体験談はカットする…要約はいかに文章を抽象化して伝えやすくするかがポイントなので、具体例や体験談は用いない。

「筆者は~と主張している」は書かない。要約とは筆者の考えをまとめたものですので、あなたの個人の意見は必要ないからです。

以上のポイントに気をつけて、要約の練習を行ってください。

小論文の学習方法

小論文には、「読解力・思考力・論述力」を鍛える必要があります。

そこでこんな勉強をすると合格へのお勧めになります。

1 文章を読んでなれる。文章には小説・評論がありますが、小論文になれるには、「評論」がお勧め」です。

評論は、

① テーマ:主題について書かれている。

② 主張:問題の主張・解決策・結論について書かれる。

③ 根拠:読者が納得できる根拠をいくつか書きます。

小論文は、

① 問題提起

② 主張

③ 根拠・結論

④ 結論(もう一度自分の意見と結論を述べる)

の構成で成り立っているので、評論を読むとその構成が理解できて小論文を書くときに役に立ちます。

2 模範解答を真似して、何度も書いてみる。

 大切なのは小論文を書いて慣れるということです。初めては、模範解答を真似して何度も書いて小論文に慣れるところから始めてください。

 次に、その模範解答に自分の主張を入れ替えてみて練習します。そうすると自分の小論文が徐々に書けるようになります。

3 自分の書いた小論文を先生や塾や予備校の先生に読んでもらう。

 小論文を担当している先生は、何十何百という小論文の指導をしています。そこには、経験から来る精度の高い指導や添削があります。そういう機関を利用してより実践的に小論文を書く力をつけていくことをお勧めします。

不合格になる小論文とは【不合格になる小論文とは】

今回は、不合格になる小論文の書き方をお伝え致します。
合格するための小論文の書き方も大切ですが、逆に不合格にならないための方法を知ることも大切です。

それでは、どのような小論文が不合格になるのでしょうか。

①設問を誤解してしまう

例えば、「〇〇の解決策を書きなさい」と問われているにも関わらず、「〇〇は良い」「〇〇は悪い」と言ったように、解決策を答えていないケースです。何を聞いているのかを、しっかりと把握してください。

②時間切れ

時間以内に書き終わらないと言うことです。この対策としては、過去問を使い自分自身でタイムマネジメントをしてください。

③感情を出さない

小論文は、「論文」ですので「読書感想文」ではありません。感想とは、感情の事です。特に、読書感想文は得意な受験生は、逆に要注意です。論理的に、設問に対して答えてください。

④途中で消して辻褄が合わなくなる

文字指定が800文字や1200文字の課題を書いていて、途中で消してしまっては時間も足りなくなりますし、何を書いているのか辻褄が合わなくなります。このような時は、段落に意識して書いて、消すとしても段落(段落を長くしない)を消せば、大幅な修正をしなくても済みます。

基本的な事ですが、この辺りに注意してください。

総合型選抜の受験には、エントリーシートと出願の2つを提出します。

エントリーシートと出願の違い

1.エントリーシートとは

 私はここの大学・学部を受験しますという約束の書面のことです。

 大学によって様々あります。

 ① WEBから簡単な自分自身の自己紹介(プロフィール)を入力

 ② 事前予約(エントリー)の時に、その大学が指定している項目を入力する

 ③ ②に加えて、大学が要求している書類を提出する場合

 ※エントリーシートシートを提出して初めて出願が認められます。

2.エントリーシートはどの時期に提出するのか

 学校ごとに変わりますので、自分の行きたい大学や学部の資料を取り寄せるか、ネットで情報を確認する必要があります。

 多くの大学では、6月ごろから受け付けが始まるようです。学校によっては3月まで受け付けていることもありますので、しっかり情報をキャッチしておくことが必要です。

3.エントリーシートの提出方法

 主に

 ① 直接大学に持っていく

 ② 郵送する

 ③ WEBのサイトから申し込む

方法があります。

  • 大学によっては、面談が行われ・作文が課される場合があります。それぞれの内容が評価されて、審査に通れば出願が認められます。
  • エントリー資格は、オープンキャンパス・講義などで獲得することもできます。

受験生は、早めに自分が受験したい大学・学部を絞り、しっかりと情報を入手して理解しておく必要があります。

4.出願とは

 この大学・学部を受験するための大学が提出を求めている出願書類一式を提出することです。9月に入ってからの受付が多く見られます。

 出願の条件としてエントリーシートを求める大学もありますので、気をつけてください。

 出願書類は、大学が指定した郵送方法もありますので、その場合は、大学の基準で郵送してください。

 重要な書類は、「簡易書留郵便」「速達・簡易書留郵便」など、履歴が残るものにします。

5.大学が求める主な書類

 総合型選抜で求められる書類には

 ○調査書

 ○志願理由書

 ○自己推薦書

 ○卒業見込み書・卒業証明書

 ○英検などの資格証明書

などがあります。

事前に用意する必要がありますので、余裕を持って準備しておいてください。

6.エントリーシートは、複数の大学に提出できる

 エントリーシートは、複数の大学に提出できる場合はほとんどですが、中には専願受験だけしか認めない大学もあるので、気をつけてください。

 もし、専願受験で落ちた場合は、別の大学を受験することになります。

受験生は、自分の行きたい大学・学部のエントリーの受付日時から出願の日時をしっかり把握することが必要です。そのために、WEBサイトや願書を取り寄せるなどしてしっかり理解しておく必要があります。

今回は、文字数が多い場合の小論文についてお話します。

文字数が多い小論文の対策

今回は、「200文字以内に要約せよ」という比較的短めな文章ではなく、「800文字以上」の小論文を書く時の対策をお伝え致します。

800文字以上の長い文章でも、要約の練習が役立ちますので、要約の練習はしっかりと行ってください。

それでは3つに分けて解説をしていきます。

  • 課題文の要約をして問題分析を行う

まず書き出しですが、「課題文の筆者は〇〇と主張している。しかし私は〇〇だ。」などと始めると良いです。

また、課題文について解決策を求められている場合には、「この問題は〇〇が原因で行っているので」や「今の政策では〇〇なので不十分」であると、問題点を分析すると良いです。

  • 理由や自分の主張は2つ書く

800文字と多いので、理由や自分の主張が1つだけとなると、文字数も稼げなくなります。また、偏った意見になってしまうこともあるので、「理由としては2つある。1つは〇〇、2つは〇〇~」としたほうが良いです。また2つの優劣を決めずに良い面と自分の意見とは異なる面を示すと良いです。

  • 再反論

このテクニックを使う受験生が多いのですが、再反論をする時のポイントは、理由や根拠をしっかり示すことです。例えば「〇〇なような問題も生じるが、〇〇のような方法を決めることで解決できる」等です。

文字数が多い小論文も、要約力を身につけ、書き方をマスターすればそれほど大変ではありません。

小論文上達法

みなさんは、「自分に基本的な文章を書く力がない」「小論文のテーマについての知識が少ない」「小論文をどう書いて良いかわかならい」と思っていませんか?

では、どうしたら小論文が上達するのでしょうか?

ステップ1:志望校を決める

      自分が目指している大学と各部、学科を決めることが重要です。しっかりと自分が将来何を目指したいのか、何になりたいのかを決めておいてください。

ステップ2:志望校の過去問から傾向をつかむ

      自分の志望校の小論文の傾向をしっかり掴むことが重要です。

      テーマのみか、資料などを読んで書くパターンなのか。

      そうすると、小論文に対する対策がしっかりと取れ、どのように勉強を進めていけば良いかがわかります。

ステップ3:小論文の書き方について学び、添削指導を受ける

小論文を書く前に、小論文の書き方を徹底的に学ぶようにしましょう。さまざまな書籍が出ているので、迷うと思いますが、自分にとって一番わかりやすいもの選ぶと良いと思います。書き方を徹底的に学んだら、添削を受けると良いです。どのように書いたら相手に伝わるのかをプロから学んで小論文の型を身につけてください。

ステップ4:模範解答を何度も読んで、同じように書いてみる

添削された小論文を何度も読み返して書いてみる。参考書にある小論文の解

答を何度も読んで書いてみてください。そうすると少しずつ相手に伝わる小

論文の書き方がわかってきます。

ステップ5:知識を蓄える

大学の学部・学科の小論文は、幅広い知識を必要としているのではなく、専門

的な知識、それに関連する知識が必要な場合が多いのです。看護系の小論文に、

数学的な思考、宇宙物理学な知識、AIについて書くことはありません。死亡

理由を問うものが多く出題されている。そこで、自分の考えをまとめておいて、

答えられるようにしておくことが大切になります。テーマとして、高齢社会で

の医療が出題されたとすると、高齢社会の医療について、ネットで調べて、ま

とめておくようにして、知識を蓄えていく方法が良いと思います。

ステップ6:小論文の構成を身につける

       小論文の書き方を順番通りに書く癖をつけておく

       つまり、

      ① 序論 (課題の要約・資料の読み取り・問題提起)

      ② 本論

      ③ 結論  

      

という展開で「序論はどのように書くか」「本論でどのように展開させていく

か」「結論でどのような着地をするか」という流れをメモで書いてから、解答

を作成する様にしましょう。いきなりかき始めないで、制限時間の3分の1の

時間を使ってメモを取ってから小論文を書き始める練習をしてください。

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